第2章 距離感
ひとつ解決しても、
正体は解決できてはいない。
「だが、何かあった時は俺に話せ。
必ず力になってやる。
部下を守るのが俺の務めだ」
たとえ主任という小さな地位でも。
束ねた10人の部下を守れなくて、
この先に満足するなんて在りはしない。
「今のおまえの上司は俺だ。
分かったか?」
「……はい」
また声が小さくなって、
ありがとうございます。と礼を言われる。
驚いたことに、
角が
あんな大きな声を出すとは思わなかった。
そこも突っ込んでやりたかったが、
これはまだ
先の話になりそうだ。