第17章 アネモネ ~澤村 大地~
道宮の気持ちを知らないわけじゃない…
なんとなくだけど気付いてる。
でも俺から何も言うつもりはない。
俺が好きなのは咲弥だから…
男子①「澤村!」
澤村「なんだよ急に…」
男子②「道宮が月城呼び出したって!」
澤村「……は?」
男子①「道宮がなんかするとは思わないけどよ…なんか険しい顔してたって…」
何?
どういう事だよ…
菅原「大地!」
澤村「スガ!?旭!?」
菅原「話聞いたか!?探すぞ!」
他の生徒に聞きながら3人で手分けして2人を探して人気のない校舎裏で見つけた…
でもなぜか入っていけなくて…
咲弥「道宮さん…話って何?」
道宮「えっと……月城さんって澤村の事どう思ってるの?」
咲弥「え?大地の事……?」
やめろ…
道宮「菅原の事も……さ…」
咲弥「えっと……」
やめろ…
道宮「皆にいい顔しすぎ…なんじゃ…ないかな……」
咲弥「え……私は別にそんなつもりは…」
やめろっ……
咲弥はそんなヤツじゃない!
道宮「月城さんの行動で勘違いする人もいると思うよ…」
咲弥「勘違い……?」
勘違いなんかじゃない…
道宮「ただの友達に…好きでもないのに…愛想ふりまくと傷つく人もいると思う……」
咲弥「わ、たし…そんなつもりじゃ……」
澤村「やめろ!道宮!」
道宮「っ!!さ、澤村…」
咲弥「だ、いち?」
振り向いた咲弥は全てを諦めたような…絶望したような…光のない目をしていた…
澤村「お前は何もしてないし、悪くない!」
咲弥「で、も…私のせいで……」
澤村「違う!」
咲弥「中学の時も…」
青城の練習試合の時みたいに過呼吸になりその場に崩れ落ちる咲弥を支えた
道宮「え!?月城さん!?わ、私何も…」
澤村「道宮は知らなくて当然だけど咲弥が笑えるようになるまでどんな思いで周りの目気にしながら過ごしてきたか…中学でずっとイジメ受けてきてどれだけ…こいつが…」
道宮「わ、たし…」
澤村「悪いけど……俺達の事心配しなくてもいいから…分かってて俺もスガも一緒にいるんだ……」