第16章 ライラック ~菅原 孝支~
ドタバタと階段をかけ降りて玄関まで行くと
私服の咲弥がいた
菅原「え、なんで!?」
菅原母「咲弥ちゃん綺麗になったわね~[ニコニコ]」
咲弥「ありがとうございます…///」
母さんの言葉に恥ずかしがっている咲弥が可愛いくて…愛しくて…心がギュっとなった
菅原「ってかこんな時間に…どうした?」
咲弥「これ、学校だったら邪魔になるかと思って…[ニコ]」
ライラックの鉢植えを掲げて微笑む咲弥が眩しかった…
菅原母「孝支、ちゃんと送ってあげてね!」
菅原「分かってるって!咲弥送る!」
咲弥「え、でも疲れてるでしょ?」
菅原「大丈夫だって!ほら遅くなるとじいちゃん達心配するぞ」
咲弥「うん。ありがと」
咲弥が乗ってきた自転車を俺が押して二人で並んで歩く…
当たり前だけど二人っきり…
隣には白いふわっとしたロングワンピースを着た咲弥がいる…
か、可愛い……
私服なんて滅多に見ないし…
菅原「今日はありがとな[ニコ]」
俺はちゃんと笑えてるだろうか…
咲弥「全然[ニコ]おばさんにも会えて嬉しかったし」
菅原「そっか…でもこんな時間に1人で出歩くのはダメだぞー危ないだろー?」
咲弥「そうだね…ごめん[ヘヘヘ]」
菅原「反省してねーなー?w」
咲弥「してるよー!w」
そう言って軽く先へ走って行った
咲弥「ってやっぱりなんかいいね!」
菅原「え?」
咲弥「烏野に孝支がいてよかったよ![ニコッ]」
振り返った咲弥の笑顔が綺麗で……
菅原「っ……///」
咲弥「昔から知ってる人がいるって安心する[ニコ]ありがと」
菅原「な、なんだよ急に…」
咲弥「なんとなく!w」
あぁ……
これは当分無理だ……
芽生えてしまったこの恋は…
無邪気な初恋から青春の喜びへ変わり
きっといつかは友情と呼べる思い出になる……
でも、
でももう少しだけ……
菅原「俺も……咲弥とまた会えてよかったよ…[ニコ]」
咲弥「……よかった[ニコ]」
友情じゃなく
芽生えた恋のままいたい……