第2章 時を越えて〜出会い〜
「………いまは何年ですか?」
ある可能性が頭に浮かび、恐る恐る口にする。
「??天正10年ですが…」
答えた石田三成さんに
「そうですか…。もしかして、6月2日?」
と問えば
「6月とは?本日は水無月の2日です。」
「水無月…」
(水無月って確か…6月?!)
はっきり分かって、愕然とする。
「本能寺の変…。どうして…」
顔面蒼白でガタガタ震え、立つ事もままならなくなった私はその場にへたり込む。
「舞っ?!どうした?」
「どうされたのですか?大丈夫ですか?」
と心配そうに声を掛けてくれる信長様と石田三成さん。
「わっ、わたし…タイムスリップ…」
「「たいむすりっぷ?」」
聞き慣れない言葉を不思議そうに復唱した2人に
「私…は…ごっ500年後の世…の……人間です。……なぜか、この時代…へ…。よりによって……本…能寺…の…変……」
かろうじてそう答えた後、記憶が途切れた。