第9章 時を越えて〜顕如討伐〜
ーーー翌日早朝。
顕如軍と先に激突したのは上杉軍だった。
「影でコソコソと小賢しい真似ばかりしおって。久しぶりの戦に血が踊る。信長が来る前に終わらせてやろう。」
ニヤリと笑い刀を抜く謙信。
「おのれ、上杉。我は信長の首を取るまで止まらん。邪魔するならお前も信長の道連れにするまで。」
顕如も杖を構えた。
「ほう。仕込み杖か。刀まで小賢しい。坊主が聞いて呆れるわ。」
「ふん。戯言はここまでだ。覚悟!!」
「いざっ!」
謙信と顕如は激しく打ち合い始めた。
上杉軍と顕如軍の兵たちの交戦は既に始まっている。
総勢五千の顕如軍に対し、上杉軍は二千。倍以上の差をものともせず、一歩も引けを取らない上杉軍。
さすが、軍神率いる隊。僧侶上がりの顕如軍とは戦闘能力・経験値に差がありすぎた。
徐々に圧され出す顕如軍。
一度撤退し体制を立て直すべきと判断し、
「退けー!退けー!!」
と指示を出したところに
織田軍が到着した。