第2章 時を越えて〜出会い〜
次に目を覚ましたのは固い板張りの床の上。
「ここは?室内?」
うつ伏せに転がっていた体を起こし、辺りを見回す。
そこで目に入ったのはーー
「火事?!」
暗闇の中で赤く燃え上がる炎と白く濃い煙。
「逃げなきゃ!!」
咄嗟に立ち上がり、まだ火の手の及んでいない方向へと駆け出した瞬間ーー
「あっ!!」
視界の効かない暗闇で何かにぶつかり思いっきり乗り上げてしまい、慌てて体を起こす。
「ーーんっ!
貴様、何奴!!」
乗り上げた何かはその声から察するに男の人。
そして、その男性が怒声を上げたと同時に、視界に飛び込んで着たのは大きな影と細長く光るもの。
(っーー刀?!)
私と男性に向かって刀が振り落とされようとしていた。
「危ないっっ!!」
咄嗟に男性の腕を引っ張り、何とか刀を避ける。
もう考えている時間はない。
「とにかく、逃げますよ!!!」
そう叫んで、引っ張った腕を掴んで駆け出した。