• テキストサイズ

《イケメン戦国》時を越えて

第6章 時を越えて〜現代人トモダチ〜


「前置きが長くなったけど、今回君に話したい事が2つある。」
「2つ?」
「うん。まずひとつめは、君が持っていたトランクの事なんだけど…。なぜか俺と一緒に四年前にタイムスリップしていたんだ。」
「そうなの?!てっきり失くなったものだと思ってたから、嬉しい!」
「良かった。それで、そのトランクは春日山城の俺の部屋に保管してるんだけど、この時代では安土まで運ぶのは難しいと思うんだ。」
「えっ?遠いからとか?」
「いや、そうじゃない。この時代にはトランクなんてないから、持ち歩くとかなり目立って危ない。隠そうにも大きすぎて風呂敷では包めないし。」
「ああ、そうだ。京都に1週間滞在する予定だったから、荷物が多くて大きなトランクにしたんだった!」
「うん。それで、中身だけを運搬する方法が良いと思うんだけど…。だから、トランク自体は諦めてくれるかな?」
「それは、もちろん!なんか迷惑かけてごめんね。」
「いや、迷惑なんて掛かってないから大丈夫だ。でも、ひとつ問題がある。」
「問題?」
「うん。人様のしかも女性のトランクを開けて漁るのは、ちょっと…いやかなり抵抗がある。」
「えー、私は別に構わないよ?」
「いやーーー、すごく言い難いけど……下着とか……」
「わーーっ、そうだ!それはダメだよ!!」
真っ赤になってやり取りする二人を周りは不思議そうに見ている。

「(ゴホンッ)えーと、だから荷物を回収するには、君が春日山城の俺の部屋まで来るしかないんだ。」
「あっ、そっか。私が取りに行けば良いんだね。それならそうと早く言ってくれたら。」
「あー、うん。なんと言うか…。」
「何?何か都合悪いの?」
「都合が悪いと言うかなんと言うか…」
はっきりしない佐助に痺れを切らした幸村が
「あー、もー!まどろっこしいな!!おい、舞!」
大きな声で割って入る。
「はっ、はい。」
「お前は知らないのかもしれないけど、織田軍と上杉・武田は敵同士なんだよっ!敵の城に簡単に行けるはずないだろうがっ!少しは察しろ!!」
「………」
「幸村、大きな声出さないで。舞さん、俺の伝え方が悪くてごめん。」
黙り込んだ舞に、佐助も幸村もバツの悪そうな顔をする。

「佐助くんと幸村さんの話は分かった。でも、トランクの中には、大切なものが入ってるの。だから諦めることはできない。誰が止めても春日山城まで取りに行く。」
/ 336ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp