第20章 時を越えて〜分岐〜秀吉ver. ※R18あり
〜秀吉目線〜
「秀吉さん、私たちもう終わりにしよう。」
今、俺は最愛の女に別れを告げられた。
「……」
衝撃に言葉が出ない。
「ごめんなさい。」
俯いて謝る舞に
「…理由は?」
「……」
「…他に…好きな男ができた…のか?」
なんとか問うた俺に
「……うん」
その舞の答えに体中の血が一気に凍って行く。
「……そうか」
掠れた声でそう返すのがやっとだった。
「本当にごめんなさい。」
もう一度詫びる舞に
「気にするな。恋仲じゃなくなっても織田軍の仲間なことには変わりない。これからも仲間としてよろしくな?」
大人ぶって強がってそう告げた俺は、いつものように笑えていただろうか?
「…秀吉さん…ありがとう。」
そう返した舞の目に光る涙にはどんな意味があったのだろう?
今となってはもう、答えは分からない。
ただ、俺にとってはこの瞬間からが、光を失くした暗闇の日々の始まりだったことは間違いない。