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《イケメン戦国》時を越えて

第17章 時を越えて〜分岐〜信長ver.前編 ※R18あり


広間の襖を開けると
「謙信様?!信玄様と義元さんと幸村も!」
そう言って舞が驚く。
「くくくっ…光秀、良くやった。」
舞の言葉には答えず、信長の顔を見て笑う謙信。
「アッハハッーー思い切りいったな。」
信玄も笑っている。
「俺の手が痛まずに済んで良かったよ。」
ボケ炸裂の義元に
「とりあえず、安土が火の海にならなくて良かったな。」
物騒なことを言う幸村。
その様子に不機嫌そうにする信長と、苦笑いする舞。そして
「舞さん、うまくいったみたいだね。良かった。」
と佐助が言うと
「うん。ありがとう。」
と舞が嬉しそうに笑った。

その後、信長が光秀のところへ行き
「悪かった」
とポソリと言うと、光秀はおろか周りの武将たちも驚いて目を丸くする。
「くくっ、信長様から謝罪の言葉を聞く日が来るとは…。」
そう言って光秀が笑うと
「舞のためだ」
と面白くなさそうに信長が言う。
「それならば、俺も娘のためなら何度でも拳を振るいましょう。」
光秀が答える。
「…娘?」

「舞」
「はい」
「今から俺とお前は親子の契りを交わす。」
そう光秀に言われ
「えっ?」
驚く舞。

「舞と光秀の親子の契りを俺たちが見届ける。」
そう言ったのは秀吉。
「光秀さん、舞、こちらへ。」
家康にそう言われ、広間の中央に光秀と向かい合って座る。
「光秀様。」
三成が盆に乗せた盃を差し出し、
「信長様、酌を。」
政宗が信長に徳利を渡すと、信長が光秀の盃に酒を注ぐ。
光秀がそれを飲み干し、その盃を舞に寄越す。
そこへまた信長が酒を注ぐが、妊婦の舞が戸惑っていると
「口を付けるだけで良い」
と言われ、舞は盃に口を付けた。
「これで、光秀と舞は親子となった。ここにいる全員が証人だ。」
と信長が言うと
「光秀さん…みなさん、ありがとうございます。」
舞は目に涙を浮かべて、お礼を言った。

「これはお前が持っていろ。」
と光秀がくれたのは懐刀。
「えっ?でも…」
戸惑う舞に
「お前が持っていたものは、俺に渡せ。互いの守りだ。」
そう光秀は言った。
「はい。」
答えた舞の頬には涙が伝っていた。
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