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《イケメン戦国》時を越えて

第14章 時を越えて〜分岐〜幸村ver.前編


信玄「なるほどな。でも、いくら饗談とはいえ、そんなに簡単に行くのか?」
三太郎「難しいでしょうな。だからこそ、上杉・武田軍にも動いていただきたい。」
義元「どういう意味?」
三太郎「上杉・武田軍…特に上杉軍が出陣すれば、当然この城は手薄となる。それに気付いた毛利は、春日山攻めに躍起になるでしょう。逆に言えば、毛利の方も手薄になる。それに乗じて潜り込み、兵器を潰す。」
光秀「銃はまだしも、大砲や大筒は陸路では簡単に運べるものではない。毛利は海路を使い船で越前まで運び、一気に越後を攻めて来るつもりだろう。越前に運ぶのは、警備の厳しい越後の港に直接船をつけることは難しいからだ。…そこを利用する。」
謙信「……」
光秀「越後の一部の港を一時的に出入り自由にする。そうすれば、毛利は必ず越後まで船を乗り入れようとするはずだ。」
三太郎「そこで、越後へ向かう毛利の船を海上で討ち取ります。同時に安芸の船と城も。」
信玄「海上で討ち取る…。海賊でも雇うのか?」
三太郎「水軍にかかれば、毛利の船などひとたまりもないでしょう。」
信玄「九鬼か!」
光秀「ああ。今回は村上水軍とも手を組んだ。安土へは九鬼、越後へは村上が既に向かっている。」
信玄「村上まで?!それは恐れ入った。」
光秀「上杉・武田は越前へ向かうと見せかけて加賀で引き返し、毛利を迎え討ってもらいたい。」
謙信「思う存分、斬って良いな?」
光秀「ああ。鬱憤を晴らすと良い。」
謙信「ふっ」
信玄「港の出入り自由の大義名分はどうするんだ?」
光秀「出羽国との交易のためとしてはどうか?既に最上家へは伊達が話をつけるべく動いている。」
信玄「出羽国ねえ。」
光秀「表向きは和睦を結んだことにし、その証として最上から上杉へ贈進の品を送る名目に、一時的に港解放とすれば不自然ではない。」
信玄「なるほどなー。で、謙信はいいのか?」
謙信「…良い。上杉からの贈進の品も準備する。」
光秀「感謝する。」
謙信「出立は?」
光秀「十日後」
謙信「相分かった」

家康「信玄、幸村はここに残して。」
幸村「はっ?」
家康「舞は記憶が戻るまでは不安定な状態が続くと思っていい。その時に光秀さんかお前がいないと最悪、前のような事態になりかねない。光秀さんは饗談と連携して間諜を動かさないと、今回の作戦は成り立たない。…となれば、お前がここに残るしかない。」
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