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《イケメン戦国》時を越えて

第12章 時を越えて〜舞の秘密〜


「ただ、俺のことで話せることは話します。」
そう言って佐助は話し出した。

「まず、俺の500年後の世での名前は『徳川康信』」
「はっ?徳川って、俺の…」
「そうです。俺は徳川家の直系血族。俺の父が25代目当主で、俺はその息子。三男なので、俺が次期当主になる可能性はほぼありませんが。」
「………」
突然の告白に静まり返る室内。

「徳川家の直系ですが、先祖が武田、豊臣、伊達と婚姻を結んでいたので、一応その三家とも血の繋がりがあります。俺たちの時代の史実では、謙信様は妻を娶らず生涯独り身だったので養子の方の血にはなりますが、上杉家とも繋がりがあります。」
「それを証明するものはあるの?」
「残念ながらありません。元の時代には戻らないと決めた時点で徳川家の人間だと示すものは全て処分しました。」
「まあ、上杉にいるならそれが正解だな。」
「はい。だから、俺の話すことを信じてください。と言うしかありません。そして、なぜその事を話したかと言うとーー。」

「待って!」
そこで、誰かが佐助を止めた。

「…舞さん…」
目を覚ました舞だった。起き上がり佐助の方を見る。

「佐助くん…書類…見た?」
「……うん。勝手にごめん。」
「そっか。………それで、佐助くんならどうする?」
「俺なら?」
「私は500年後に帰ろうと思ってる。」

「えっ?舞様?」
舞の爆弾発言に皆が驚く中、三成がかろうじて声を上げる。

「…舞さん、それはもう決めたの?」
「…うん。」
「どうして?」
「迷惑かけたくないから。」
「…そうか…。分かった。」

「ちょっと待って!佐助!なんで止めないんだ!」
家康が佐助を責めるが
「家康、佐助くんを責めないで。佐助くんは悪くない。」
「じゃあ、なんで帰ることにしたのか教えて。」
「…それは…言えない。」
「言えないって…なんでだよ…」
泣き出しそうに言う家康に心が締め付けられる。

「みなさん、勝手に現れて、勝手に帰ることに決めて…ごめんなさい。」
舞はそう言って頭を下げる。
すると
「舞、そんな風では治る病も治らん。もう今は何も考えるな。まずは元気になれ。全てはそれからだ。」
信長がそう言って、舞を横たえた。

「佐助も家康も舞が回復するまでは、今の話をすることはならん。分かったな?」
「はい。」
「……」
「家康、返事は?」
「…はい」
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