第1章 6つ子異世界へ
バアン!という音がして、ついにゾンビたちが入ってきた。
「くっ!早く昇れ!」
一斉に階段を駆け上がる。が、○○が足を掴まれた。
「きゃっ!離してよ!」
「○○!!」
銃で撃つが次々と○○に群がるゾンビをどうすることも出来ない。と、○○の悲鳴が絶叫に変わった。ゾンビの一人が足に噛みついたのだ。
「○○ちゃん!」
カラ松が○○に手を貸しながらマシンガンをぶっぱなすと、ようやくゾンビが○○を離した。その隙に彼女を小脇に抱え、階段を昇る。屋上までたどり着くと一旦○○を下ろす。
「○○!噛まれたのか?!」
遙人の言葉に痛みと悔しさを噛みしめながら○○は答える。
「うん。足首をね」
「ゾンビになるの?!どうすんの?!」
おろおろする十四松。○○は輝夫を見て言った。
「切って!」
輝夫の武器はチェーンソーだった。とまどう輝夫に業を煮やし、遙人がチェーンソーを奪う。
「いいか、いくぞ!」
「うん!」
チェーンソーが回る音がして、○○の噛まれた右足を付け根辺りで切断しだした。
「ぐっ!ぅううううう!」
歯を食い縛り痛みに耐える○○。やがて足は切断され、遙人は切り離した足を建物の下へと放り投げた。○○が上着を脱ぎ足の切り口を縛る。手にしたマシンガンで立ち上がるが、これでは思うように走れない。
遙人からチェーンソーを返してもらった健太と輝夫が屋上に取り付けられたゴンドラに二人だけで乗り込んだ。そのゴンドラは鎖で他のビルに繋がっている。
「健太!輝夫!」
「そんな怪我人と一緒に行動できるか!別行動させてもらうぜ。せいぜい頑張るんだな!」
そう言ってゴンドラで移動してしまった。
「でも確かに、あの二人の言う通りだよな」
一松のつぶやきを聞いた○○は、自分のマシンガンを足の付け根に持っていき、切断された根本に突き刺した。
「ぐぅううっ!っ…はあっ。これならまだましでしょ。私も足手まといになるのはごめんだもの」
「…ブラボー!」
「それはいいけど、どうやって移動するの?ゴンドラは向こうに行ったままだよ?」
不安そうにする6つ子。だが遙人は落ち着いていた。
「こっちにもうひとつある」