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魂の色【銀魂短編夢】

第9章 少しだけ未来の話(銀時裏夢)


公園のベンチに腰掛けて、銀時はぼんやり空を見上げる。

「あー……わけわかんねー」
「アレ、銀さんじゃん。何だよ久しぶりだなー」

銀時を見つけて寄ってきた長谷川を一瞥すると、大きな溜息をついた。

「何だよ不景気な顔して。またパチンコで大負けしたのか?」
「ちげぇよ。なあ、長谷川さん……」
「どうした?」
「やっぱ何でもねぇ」

ここに居ても仕方が無いかと立ち上がった時、視線の先に遼の姿を見つけて硬直する。
銀時の心中を知らぬ長谷川は、大声で遼を呼んだ。

「おーい、遼ちゃーん!」
「げ」

呼ばれた事に気付いた遼は、小走りで二人に近付く。

「長谷川さん、銀ちゃん、何してるんですか?」
「いやぁ、たまたま会ってさ。何か銀さんが元気なさそうでよ」
「ちょっ、長谷川さん余計な事言うなよ!」
「えっ、銀ちゃん大丈夫なの?」

不安げな瞳に見上げられ、銀時は思わず後退る。
やましい気持ちがあるわけではないが、まともに目が合わせられず、顔が強張った。

「本当に大丈夫?」
「や、うん、あの……ちょっとパチンコで負けただけだから」
「嘘。何かあったんでしょう?
 ……私に言えない事なら、長谷川さんでも神楽ちゃんでも、新八くんでもいいから相談しなよ」

本当に心配しているのだろうが、銀時は遼の顔をまともに見ることが出来ずにその場を逃げ出す。
真実を聞いて傷付く事も、失うことも恐かった。
今になって、それほどに惚れていた事に気が付いたのだ。

(最悪じゃねぇか)

遼が妊娠したという話を聞いて、素直に喜べなかった自分も、銀時以外の誰かと関係を持った遼も、今の状況も全てが。
がむしゃらに走って辿り着いたのは、結局万事屋だった。

「……仕方ねぇ、帰るか」

半ば引き摺るような足取りで階段をのぼり、玄関を開く。
机の上には【そよちゃんちに とまってくる かぐら さだはる】というメモが置いてあり、銀時はほっとしながらソファに横になった。

「どうすっかな……」

ダラダラと悩んでいると、チャイムが鳴り、渋々起き上がった銀時は玄関へ向かう。

「はいはい、どちらさま──」
「やっぱり、帰ってたんだ」
「遼、何で……」
「だって、銀ちゃんの様子が変だったし……聞きたい事もあったから」
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