第4章 執着(土方裏夢)
きゅうっと土方の物を締め上げ、枕にしがみついた。
涙が溢れ、口の端からは涎が垂れる。
理性が無くなってしまいそうで、必死に荒い呼吸を繰り返した。
「まだだ」
「んあぁぁっ!やらぁぁぁっ!!」
激しく腰を揺さぶられ、遼は悲鳴とも言葉とも呼べない声をあげる。
胸の先端がシーツに擦れて痛みと快感が押し寄せ、的確に突かれる中はぐちゃぐちゃで、気持ちがいい事以外考えられなくなった。
「あっ、またイっちゃう、っ!」
「っく、あ」
びくびくと体を痙攣させる遼の背中に口吻ると、土方はゆっくり腰を動かし、奥を叩く。
「中に全部出すぞ。しっかり受け止めろよ」
「んっ、はあっ、十四郎さ……ああっ!」
遼の腰をしっかり掴み、土方は腰の動きを速くする。
荒い息遣いと、激しい水音が部屋中に響き、二人の感覚を狂わせていく。
「うっ、あ、はぁっ、はぁっ、イくぞっ」
「ん、っ!」
吐き出された精を受け止めて、遼は漸く体の力を抜いた。
体の中で震える土方の熱さに、息を吐く。
暫くして自身を抜いた土方は、倒れるように遼に覆い被さった。
「十四郎さん?」
「悪ィ、重いよな」
「いえ……あの、そのままで」
汗だくの体が擦り合うのは決して気持ちの良いものではなかったが、離れがたく感じて遼は目を閉じて余韻に浸る。
「今日は、悪かった」
「え?」
「アイツに嫉妬して、おかしくなった」
ぎゅっと抱きしめられ、遼は土方の方に顔を向けた。
まるで母親に置き去りにされた子どものような表情の土方に、遼は少し驚く。
「十四郎さん」
「怖かった。お前の中に残っているアイツが、いつかお前を攫っていくんじゃないかって。結婚して、見せつけるように過ごしても、安心できねぇ」
「私は……」
体を動かし、土方と対面する形になった遼は、にこりと笑って土方の頬に口吻た。
「私が愛しているのも、添い遂げたいのも、十四郎さんだけですよ」
「遼、……んっ」
深く深く口吻られ、遼はそれに応える。
嫉妬しているのも、
執着しているのも、
きっと自分だ。
だから、離さない。
離れない。
離れていくなんて、許さない。