第26章 束縛（沖田裏夢）

「及第点だな」
「んっ……ッ」

口づけられ、遼はまた溺れていく。
くちゅくちゅと音を立てて絡められる舌の熱さも、優しく触れてくる沖田の指も、何もかもが愛おしくて恋しくて――切なかった。
腹の奥がきゅんと熱くなり、また沖田を求めてしまう。

「そーご、さん。もう、」
「もう？」
「総悟さんが欲しいです。また、気持ち良くしてください」

鼻にかかったような甘い強請り声に、遼は肌が粟立つのを感じた。
驚くほど簡単に、理性を手放してしまおうとしている。

（全部、ぜんぶ、総悟さんが悪い）

遼の体に快楽を教え込んだのも、恋心を植え付けたのも全ては沖田の仕業だ。
そして遼は、自らその罠に嵌っていった。

「好き……」
「へぇ、何が「好き」なんでぃ？」
「総悟さんの全部が好きです。だから――ひあっ」

まだ十分に潤っている蜜口に指が挿入され、遼は体を跳ねさせる。

「弄らなくても挿れられそうだな」
「あっ、あ、指っ、気持ちぃいっ、んっ」

花芽に触れられて、遼は期待に満ちた声で沖田を誘った。それに応えるように指が増やされ、遼が感じる個所を的確に刺激する。
腹の奥に熱が籠り、一層強い快感が電流のように遼の体を走り抜けた。

「あっ！くぅぅっ！！」
「挿れる前に簡単にイっちまいやがって。やっぱりきつい仕置きが必要だな」

そう言って指を抜くと、ぐちゅりと音を立てて溢れた愛液がシーツを汚す。
汗ばんだ体を小刻みに震わせながら、期待に満ちた目で見上げてくる遼の姿に、沖田は軽く眩暈がした。

「総悟さん？」
「――その顔、最高だぜ」

投げていた浴衣の帯で遼の手首を軽く縛り、もう一本の帯で閉じさせた膝を縛る。

「え？」
「このまま犯してやらァ」
「このままって、――んあっ！」

遼の足を器用に持ち上げて腰をひねらせると、秘裂に指を這わせた。

「これからココに、ぶち込んでやる」
「っ――！」

うっすらと涙を浮かべて唇を震わせた遼は、すっかり堕ちてしまった自分が急に恐ろしくなって、沖田に縋り付こうと腕を伸ばす。

「あっ」
「手が使えねぇと、もどかしいだろ？」

縛った手首に口づけをすると、沖田は自身にスキンを被せた。