第24章 ハッピーメリークリスマス【神楽友情夢】
遼と神楽は手を繋ぎ、銀時と新八の後をついて万事屋を出る。勿論、定春も一緒だ。
満足そうな遼と神楽の様子に、銀時と新八の表情も自然と綻び、定春のしっぽがゆらゆらと揺れる。
賑やかな声に誘われて出てきたお登勢は、万事屋と遼の様子にふっと微笑んだ。
「アンタたち、そうしてると家族みたいだねぇ」
「だったら、私と遼が美人姉妹アル」
「いやいや、だったら銀さんと遼が夫婦でお前らがオマケのコブだろ」
「何言ってるんですか銀さん、どう見ても凸凹兄妹でしょう?」
「そうアル。コブは銀ちゃんと新八ネ」
「私も兄妹が良いなぁ。お兄ちゃんとか妹とか欲しかったし」
とりとめのない会話で盛り上がる遼たちに、どうしたのかと、スナックお登勢からキャサリンとたまが姿を現す。
「お登勢様、皆様はどうしたのですか?」
「そうだねぇ……家族の団欒ってやつかね。ところで遼、あんたたちこの寒いのにどこに行くんだい?」
「銀ちゃんが、みんなでイルミネーションをを見に行こうって」
「これです」と遼が取り出したチラシを見て、お登勢は納得したように頷いた。
「ああ、かぶき町の門前でやってるあれかい。今日はクリスマスだから随分賑わってるだろうねぇ。寒くなって来たから、あんまり長居するんじゃないよ」
「はい。じゃあ、行ってきますね」
「ああ。甘酒作って待ってるから、帰って来たらウチに寄りな」
「ありがとうございます」
「ババア、気が利くじゃねぇか。じゃあ、俺にはアルコールたっぷりので頼むぜ」
「私は鍋一杯飲みたいアル!」
「はいはい。銀時、アンタの分ははツケだからね」
賑やかに出かけて行った遼たちを見送って、お登勢はたまに使いを頼んだ。
「たま、酒屋までひとっ走り頼めるかい。とびっきりの酒粕と、良い日本酒を買ってきとくれ」
「かしこまりました」
「ああそうだ、アンタ用のオイルも忘れんじゃないよ。あいつらが帰ってきたら、ちょっとした団欒といこうじゃないか」
そう言って笑ったお登勢に、たまは「はい」と頷く。
「いいクリスマスになりそうだねぇ」
―――おわり―――