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魂の色【銀魂短編夢】

第23章 合歓綢繆【阿伏兎裏夢】


きっかり20分後。
阿伏兎と遼は機関室にやって来た。
いかにも風呂上りと言った様子の二人に、神威はにこにこしながら近づくとまだ十分に乾いていない遼の髪を一房掴んで持ち上げる。

「一発ヤる時間はあった?」
「……しねばいいのに」

不快100%で呟いた遼に、神威は更に楽しそうな表情になった。それを見た阿伏兎は、やれやれと溜息をつく。

「それで、俺たちを呼び出すなんざ何の用なんだ」
「あ、そうそう。はいコレ」

思い出したと神威が取り出したのは、エイリアン退治の広告だった。

「飯屋で貰ったんだよね。次はこれに挑戦してみようと思って」
「また次から次へと。アンタも大概働き者だねぇ」

受け取った広告を確認しながら肩を竦める阿伏兎の隣で、遼は露骨に不貞腐れる。ようやく纏まった休日が取れたと思っていたのに、これではあんまりだ。
項垂れる遼の頭の上に、阿伏兎の手がポンと置かれる。

「そんな顔すんな。休みはまた、おいおい取れんだろ」
「そうね。でも……」

髪を触り続ける神威の手を掴んだ遼は、にっこりと笑った。

「腹が立つことに変わりはないので、団長にはたっっっぷり嫌がらせさせてもらいますね」
「へぇ、何してくれるの?」
「あなたの大っ好きな御父上の星海坊主どのと寝てきます」

遼の宣言に、神威の表情が固まる。

「星海坊主どのはお優しいので、泣いて頼めば一晩くらいどうにかなると思いますので」
「何それ本気で言ってるの?すっごく気持ち悪いんだけど」
「それが目的ですから」

勝ち誇った様子の遼に、さすがの神威も笑顔が消えて露骨に顰め面になった。父親と部下が肉体関係になるなんて、冗談でもきついものがある。阿伏兎も軽い頭痛に襲われて、額に手を当てた。

「つーかそれ、地味に俺にダメージがあるんだが」
「本命は阿伏兎よ」
「だとしても、星海坊主と穴兄弟はちょっとなぁ…」
「あのさ、そういう言い方やめてくれない?」

完全に不機嫌になった神威の様子に満足したのか、遼は満足げに笑う。

「では団長、次はこの計画が現実になりますのでご覚悟を」
「うえっ。最悪だな」
「いや、一番最悪なのは俺だろ」




ーおわりー
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