• テキストサイズ

魂の色【銀魂短編夢】

第16章 企画(沖田・新八夢)


「第一回、真選組恒例チキチキ大かくれんぼ大会~勝っても負けても恨みっこなしの、ガチンコバトル。がんばれいわ!今日から俺は!!劇場版~」
「情報量が多いし、サブタイトルが恐い」

どの方面を敵に回すつもりなのだと、思わず突っ込んだ遼に、沖田は少し考える。

「じゃあ、サブタイトルは~勝っても負けても罰ゲームは遼で~でいいな」
「最初のがいいです。というか、そもそもかくれんぼって」
「屯所全部を使ったかくれんぼに決まってるだろィ」

嫌な予感に逃げだそうとした遼は、沖田にがっちり手首を掴まれて、「またこのパターンか」と、全てを悟った。
連れて行かれたのは屯所の前庭で、近藤、土方を初めとした真選組の面々に加えて、万事屋の三人がおり、遼は首を傾げる。

「何で銀ちゃんたちがここに?」
「総一郎くんに呼び出されたんだよ。「未払いの報酬払うから来い」ってよ」
「総悟です。旦那、報酬ならちゃんと払いますぜ。ただし、「真選組恒例チキチキ大かくれんぼ大会以下略」に参加してくれればですけどねィ」
「かくれんぼォ?」
「え、かくれんぼの為に呼び出されたんですか?」
「オイ総悟、かくれんぼってどういう事だ!?」
「総悟、テメェ何考えてんだ」

口々に出る文句に、沖田は「まあまあ」と宥めると、ポケットから紙片を取り出して、読み上げ始めた。
要するに
・鬼は一人
・隠れるのは屯所の敷地内
・制限時間は二時間
・鬼は見つけた人を使って隠れた人を探す事ができる
ということらしい。
それを聞いた遼が、怖ず怖ずと申し出る。

「沖田隊長、私さっき何か嫌なサブタイトルを聞いた気がするんですけど……罰ゲームとか何とか」
「ああ、罰ゲームは「絶対服従の命令権」って事で」

さらっとしれっと言ってのけた沖田に、全員が凍りつく。
ずり下がった眼鏡を直しながら、新八は沖田に確認する。

「何かすごい怖い単語が聞こえたんですけど……何ですか、命令権って」
「鬼は、全員見つけたら誰か一人に命令できる。逃げてる奴らは時間まで逃げ切れたら、鬼も含めた誰かに命令ができるって簡単なルールですぜ」
「誰がそんな恐怖のゲームに参加するんだよ!」
「アホくさ。帰るぞ、新八、神楽」

踵を返した銀時に、沖田はそっと耳打ちした。
/ 337ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp