第2章 鉄線(沖田裏夢)
「大丈夫、アンタはここに居ればいい。俺がずっと、守ってやるから」
沖田の声を聞きながら、遼はゆっくりと目を閉じる。
捕らえられた時から、何となく気付いてはいた。
憧れていたあの人は、自分に体の関係以上のものは求めていない事も知っていたけれど、それでも想いは止められなかった。
もう全て、砕け散ってしまったけれど。
眠ってしまった遼を抱きしめて、沖田は独り言ちる。
喉が渇いたら、水が欲しいだろ?
渇いた喉を潤すのに水が必要なように、
俺のこの、焦げるような想いには、
アンタが必要なんだ。
なぁ、遼。