第14章 募る想い(土方裏夢)
じわりと涙が溢れ、視界がぼやける。
目の前に居るのはトッシーだと、頭の奥では理解できているが、姿形も声も十四郎そのもので、どうしても拒みきれずにいた。
それに、一番の原因は──
「あっ、や、待って」
「待てない」
遼の帯を解いて袷を広げたトッシーは、胸元に紅い華を咲かせていく。
丁寧で甘やかなその行為は、十四郎がするそれと全く同じで、遼は体の奥が熱を持っていくのを感じた。
(十四郎さんなら、この後──ああ、やっぱり)
ブラジャーを外されて露わになった胸にトッシーの舌が這わされ、遼は慌てて自分の口を抑える。
「ふっ、うぅっ!」
「ほら、もう乳首がこんなになってる。まるで僕に触って欲しいみたいでござる。ふふっ、ちゅっ」
「やっ、吸わない、でっ」
「コリコリして、このまま吸ったら千切れてしまいそうでござるな」
「やっ、ああぁっ」
軽く歯を立てて吸われ、遼は思わず甘い吐息を漏らした。
「遼は十四郎のせいで、エッチな体になったから、こうやって乳首を弄られただけで、ほら」
するすると肌の上を滑るトッシーの手が、遼の下半身に伸ばされ、下着の上から秘裂を撫で上げる。
「もう、期待して濡れてるでござる」
「っ、だって、これは」
「いつもなら、ぐちゃぐちゃになるまで中もクリトリスも指で弄って、とろとろになってから挿れてるけど、今日はちょっといつもと違うことをしてみるよ」
満面の笑みを浮かべたトッシーに、遼は背筋を震わせた。
怯えた表情の遼に、トッシーは慌てて弁解をする。
「痛いことをするわけじゃないでござる。ただ……十四郎はいつも、本当は遼に甘えたいと思っている。でも、自分の方が年上だし、遼は十四郎以外経験が無いから、無理はさせられないって諦めていた」
「どういう事ですか?」
「本当は僕は──十四郎は、君の全部を知りたいんだ。だから今日は、甘えさせてくれるかい?」
真剣な眼差しに、遼は思わずこくりと頷いた。
「ありがとう。じゃあ、君の全部を味合わせてね」
「え?」
トッシーは遼の寝間着と下着を剥ぎ取り裸にすると、自分も寝間着を脱いで裸になる。
既に主張し始めた物が見え、遼は慌てて目を逸らした。