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とある、非日常の中の少女の日常。

第4章 再会…?


―来良学園第二グラウンド 倉庫横―

帝人と杏里は、男達から少し遅れて運動場に辿り着いた。

「なんとか後ろから回り込んで、人質の人を助けないと……」

ガキリ

「え……?」

振り返ると、そこにはいつの間にか日本刀を手にした杏里がおり、

いつの間にか背後に立っていたフルフェイスヘルメットの人物のナイフをその刀で受け止めていた。

「そ、園原さん!」

「……逃げてください」

だが、相手は腰のポーチから何かを取りだし、ピンを抜きながら杏里の方に投げ放つ。

数メートル先にある“それ”を見て、帝人の混乱は更に深まったのだが――

まばゆい光に少年の混乱は一瞬にして吹き飛ばされた。






「うう……」

だんだんと目に焼きついた光が薄くなり、徐々に見えるようになった視線の先に――

バーテン服の男が肩にバイクを担いで立っていた。

「……っ!?し、静雄さん!?」

「あー……、やっぱそうか。えーと、あれだよな。セルティの知り合いの竜ヶ崎つったけか?」

「はい、あ、あの、竜ヶ峰です」

「ん、おー、そうだそうだ。悪ぃな」

突然目の前に現れた『池袋最強の男』に帝人は再び腰を抜かしかけた。

「あー、そうだ。お前も確か、ダラーズの一員だったよな?」

「え?あ、は、ハイ!」

「そうか……誰にも言わないってのもあれだからよ。とりあえず来良の後輩にあたるお前に言っておく事にするけどな……」

力強く頷く帝人に、静雄はやや申し訳なさそうに目を逸らし――

「俺、ダラーズ抜けるから、よろしくな」

「――え?ど……どうしてですか!」

「お前もメール見たろ。喧嘩でいちいち女攫うような連中と同じ空気を吸いたくねぇ。それだけの話だ」

淡々と呟いて、悠然と歩み始める静雄。

「んじゃ、今お前に言った時点で俺はもうダラーズでもなんでもねぇって事にするからよ」

帝人はそれを止める事が出来ず、ただ、視界が回復するのを待つ事しかできなかった。

願わくば……今日の全てが夢である事を。


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