【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】
第4章 優柔と懐柔
近日中に起こる事態はいつの間にか今日起こる事態となっていた。
工藤夫妻も帰国し各々やるべき事の準備を進めていた。
作戦の邪魔にならないようはコナンからおおまかな説明をもらい、それ以外は自室で過ごしていた。
窓から見える空もすっかり夜になったころインターホンが鳴る。
リビングから話し声が聞こえはじめると、あれ程会いたかった彼の声だと知る。
話し声が止み頃合いを見計らい部屋のドアを開け階段を下りる。
何もないままの再会ならどれ程嬉しかった事だろう。
玄関を出る彼を小走りで追いかける。
『零!』
驚いた顔で振り向く彼がすぐに駆け寄り抱きしめる。
また心配かけてしまったんだとは胸が傷み、今から伝える事を思えば更に息苦しさも増す。
「、何でここに…」
『組織の事とかね、色々あってFBIに保護してもらってる』
「なぜ…なら俺の方で保護を…」
『それは出来ない』
身体が離れると彼と視線が絡んだ。
目を逸らさずに伝える。
『零を裏切った、他の人に縋り付いて寝たの。だからもう…』
「帰ろう」
彼に腕を掴まれ有無も言わさず歩き出す。
『零、離して!』
「帰るんだ」
『もう一緒にいられない!』
後ろで玄関が開いた。
沖矢もとい優作が歩いてくる。
に耳打ちをすると、優作の顔を見て目を見開く。
『どうして?』
「僕は背中を押せと言われただけだからね。保護は"宅配業者"さんがしてくれますね?」
不服そうな顔をする安室は振り返らずに腕を引き歩き出す。
「ええ、もちろん」
『……』
着の身着のままでFDの助手席に乗せられ車は発進した。
(家の鍵すら持ってない…)
無言の空気のまま走ると駐車場で停まる。
車を降りまた腕を掴まれ歩くとあのマンションの前に着く。