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【名探偵コナン】Redo*misty【降谷/ 赤井/ジン】

第2章 錯綜と交錯


不安を一度口にしてしまえば押し潰されてしまいそう。
「すまない」と謝る彼に甘えてしまえたら楽なのに…。

『ごめんなさい…、安室さん離れて』

自分の手は彼の背中から離れているけれど、彼の腕にはまだ抱きしめられたまま。
彼のシャツから柔軟剤と彼の香がして、ひどく気分が落ち着いていく。

「すまない…」
『…そればっかり』

は小さく息を吐いた。

「少し…出掛けないか」

は少し考える。

『…夜の海が見たい』

彼の身体が少し離れ視線が絡む。
安堵といえる表情を伺えた。

エントランス前の通りに停めてある彼のFDに乗り込むと滑らかに動き出す
彼の運転はとても心地良い。

レインボーブリッジを渡り空港の駐車場を過ぎると静かな場所に出て車を降りる。
少しの街灯と対岸の無数のビルから溢れる光が、真暗な夜の海を揺れながら照らし小さく輝いている。
耳に入るのは辺りの静寂と静かな波の音。

落ち着く、綺麗な夜景…、少し怖いと思うのは吸い込まれてしまいそうな程に真暗に見える海のせいか…。

少しの恐怖か少し肌寒いからか、身震いがする自分の腕を擦る。
それを見た彼は後ろからをすっぽり包むように抱きしめた。

『…安室さんて間違いなくモテそうね』
「なぜ?」
『この間、安室さんの話を梓さんと……、ごめんなさい、忘れて』
「彼女とは…本当に何も無い。ただの同僚だ」

嫌な事を思い出してしまった…、そもそもどうして嫌だと思ったのか。
確かに感じたのは嫌悪感だった。

鎖骨あたりに交差する彼の腕に自分の手を重ねてみる。
温かくて落ち着く…、同時に自分の中を黒いモヤがかかる。

降谷 零を誰にも渡したくないのは私?
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