第5章 偶然と必然

そこはレストルーム、とても大きな鏡の前だった。

彼に後ろから抱きしめられ、後ろから回された腕の手のひらで顎を抑えられる。
固定された顔は正面を見つめ動かない。

耳に彼の吐息がかかり耳輪をやわく食まれ、吐息とともに舌が滑り耳朶を舐める。
ビクッとする身体はまだ触れられてもいないのに共鳴するかのように膨らみの突起までも固くする。

『っぁ…んっ……っふ……ぅ…』

吐息と溢れる喘ぎ声が耳に入ると鏡越しの彼と目が合う。
"あの目"をしていた。
自分に欲情している揺れる青い瞳。

唇は耳の裏から首筋に落ち舌も這う、固定している反対の手が腿から括れを通り膨らみの下まで到達する。

されている事を鏡越しに、快楽の揺れる瞳で見つめる。

手はゆっくりと突起を避けるように膨らみを包む。
指の間で固くなり主徴する自分の突起に視線が集中する。

の視線の先に気付いた彼が鏡越しでの目を見つめる。
目が合う…は恥ずかしさに耐えきれず瞼を閉じた。

「目を閉じるな」

耳元で響く声に全身がゾクリとする。
ゆっくりと目を開ければ鏡の前の恥ずかしい自分の姿を再認識し顔が赤くなる。

顎を掴む手はそのまま首に鎖骨に落ちてくる。
その先に期待を込めて見つめてしまう。

すすっともどかしく突起を掠める。

『んっ！ぁ…うぁ…』

両方の膨らみを両手で包まれやわやわと解される。
その度に受けるもどかしさに目が潤むと、突起に指がかかり擦られ摘まれ、レストルームに響く嬌声。

『っあぁ、っぁあっんん！…あっぁ…』

腰に"あの"彼自身が当たる。
既に固く隆々とし熱を持っているのを感じる。

先端が擦られお尻を掠めると腿の間で止まる。
秘部にあてがえばまだ触れてもいないそこが淫猥な音を立てた。

『…っぁ…』

両手は腰に添えられ、奥にゆっくりとゆっくりと進む。
割れ目が彼自身を包み込まれるように侵入する。

「っっ」

彼の吐息が艶っぽく漏れた。

彼自身の先端がの小さな突起に当たるも、歩みをやめない。

『あ、っぁ…ん…っんぁ…』

目線を下にむけると腿の間から彼自身が見え隠れする、淫猥な水音は響き続けた。

彼自身が引き抜かれると腰を引かれ、カウンターに両手を置くように指示され付き従う。