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【激裏】愛執染着【短編集】

第4章 花【進撃の巨人/エルヴィン】


 調査兵団は人員も足りなければ資金も無い。知性のある巨人を生け捕りにする為に資金はどうしても早急に用意せねばならない。その為に貴族が主催するパーティーへエルヴィンはリヴァイとエレンを連れ出席していた。
 その帰りだった。雨の中で視界が悪い中、外を眺めていたリヴァイが不意に声を張り上げた。

「馬車を止めろ!」
「どうしたリヴァイ!?」
「いいから止めろ!」

 リヴァイの言葉にエルヴィンが馬車を止めさせた。すぐにリヴァイが馬車を飛び降り雨に濡れながら駆け出す。
 そこには一人の少女が全裸で倒れていた。まだ息がある事を確認し、抱え上げて馬車へと戻る。エルヴィンとエレンが上着を脱いで少女に巻く。その間リヴァイによって怪我が無いかを確認する。暴行を受けた後のようで様々な種類の痛々しい跡が残されていた。
 調査兵団の医務室へ運び込まれた少女。

「年齢は一〇から一五の間ぐらいだと思います。性病にはかかっていないようですが、栄養失調によりかなり衰弱しています。歯が何本か折れていますし、粉砕骨折も至る所にあります。火傷跡、殴る蹴る等の暴行によるものだと思われる傷跡も多いです。命に別状はありませんが、片目は完全に潰されています。不全流産していたので、手術も行いましたが、本人が気づいていたかは分かりません」
「リヴァイ。どう思う?」
「貴族に買われた奴隷といったところだろうな」
「やはりそうか……」

*****************

 明るい。目を開けると、真っ白な天井が見えた。白いカーテンが揺れていて暖かい日差しと風が室内に入ってきている。柔らかいベッドから起き上がろうとするが、体に力が入らず、サイドテーブルに置かれていた花瓶に腕が当たり、落下した衝撃で大きな音を立てて割れた。
 その音を聞いたのか扉が開き慌てて数人が入ってきた。医者と看護師と茶髪の兵士。

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!」
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