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【激裏】愛執染着【短編集】

第1章 仇【進撃の巨人/リヴァイ】


 ジャラ、と鎖の音が響く。乱れた長い髪。涙の跡が残る頬。口の中に突っ込まれたタオルの口枷。ベッドの上に無気力に座った私。
暗いレンガ造りの部屋。鉄格子。質素なベッド。
 私は、負けてしまった。皆と一緒に死ぬことも出来ず、地下牢に閉じ込められ生かされている。
 階段を降りてくる足音に気付き顔を上げた。

「よお。クソみてえな面だな」

 私の仲間を殺した犯人。私の敵。私を助けた男。人類最強の兵士と呼ばれるリヴァイ・アッカーマン。ケニーの甥。憎い。
 鉄格子にかけられた南京錠を開け牢の中に入ってくる。ゆっくり私の目の前に来た。こうやって見上げると彼が小柄なのがよく分かる。鋭い目つきはケニーと良く似ていて、悔しいが目の前に居るのがケニーでは無いかと錯覚しそうだ。もう、彼は居ないのに。
 泣きそうになってきて顔を背けた。が、顎を掴まれて強制的に視線が合わさる。悔しいので精一杯睨むが、正直効果があるとは思えない。

「煽ってんのか?」

 口のタオルが外され唇同士が触れ合う。わざとリップ音を立てられながら何度も触れるだけのキスを交わす。上唇を吸われたと思えば、下唇も同じ様にされる。角度を変えながら唇の感触を覚えさせられていく。生理的な涙が頬を伝う。舌が歯列をなぞる。どうしても拒みたくて歯に力を入れると、鼻を摘まれた。このまま息をしなければ死ねる。死ねるのに、死にたいのに、体が勝手に呼吸を求めて口を開けてしまった。鼻から手が離れ強引に舌が捻じ込まれた。舌を逃がすが簡単に捕まって絡まれる。逃げても追いかけられ唾液が混ざっていく。歯に舌が合わさり、歯茎を舌で突かれる。

「っ!」

 普段触られる事等無い歯茎への刺激に思わず体が反応を示した。舌が抜かれ解放されるかと思ったが、また触れるだけのキスが始まる。角度を変えながら唇の感触を確かめ合う。角度を変えて覆いかぶさるように唇全体がリヴァイの口の中に入れられた。そのまま強く唇が押さえつけられ、後頭部に回された手によって私からも押さえつけるように抱きしめられる。
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