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私が好きになったのは熊みたいな人でした

第4章 竜


「はぁ、はぁ…」

熱い息がぶつかり耳が擽ったい…

「…う、くぁ、また、出るッ!」

低く掠れた声が聞こえた後、手にドロリと熱い液体の感触を覚えた。目を開けようとして、ズキンと痛んだ頭に顔を歪めた。

「いっ、ぁ…」

「はぁ、はぁはぁ……ん、あぁ、目が覚めたかい?」

目を開けると、そこにはオリオンさんの姿があった。気を失う前の事を思い出して血の気が引いて行く。慌てて視線を走らせて今自分が何処にいるか確認しようとした。

「ここは、何処、ですか?」

私の質問に、オリオンさんがニヤリと笑った。

「ここ?ここは森の中さ。街だとアイツがいつも見張っているからね、ここまで君を運んだんだ。ここだと邪魔が入らないからね…こんな事だって…」

オリオンさんの視線を追って、私は自分の手へと目線を向けた。

「ひっ!」

慌てて私は自分の手を引っ込めた。

「ふふふ、酷いなぁ。でも、君は男のチ○コなんて見るのも触るのも初めてだから仕方ないか」

私の手にベットリとついた白くてドロドロとした液体。さっきまで自分が握らされていた不快な温かい肉棒。手についた液体がオリオンさんの精液だと理解して気持ち悪さに体が震えた。

「だってさぁ、ちゃんが目を覚まさないから俺我慢できなくて。二回も君の手で抜いちゃった」

この人は、意識の無い私の手で…

「っ、う…」

気持ち悪さにえづきそうになりながら、急いで汚れた手を服で拭った。

「…でも、やっと目を覚ましてくれた。待ってたよ」

嬉しそうに口にしたオリオンさんの様子に警鐘が鳴った。このままじゃ危ない、早く逃げなくちゃ。
私は慌てて立ち上がり駆け出した。

「っ!」

片足を踏ん張って立ち上がったつもりが、力が入らずに前のめりに転んでしまった。それでも四つん這いで移動しつつ、体勢を立て直し何とか立ち上がる。

「っぅ、何で…」

「ちゃん、無理しちゃ駄目だよ。まだ薬が効いてるんだからさぁ?」

薬?ここに来る前に嗅がされた何かの薬品の事だろうか。やけに体が怠くて、頭もぼうっとする。足元もおぼつかなくて、木から木へと掴まりながら何とか逃げようと移動した。

「ほーら、頑張って逃げないと捕まっちゃうよ?」

オリオンさんは自身の濡れて半勃ちの股間をズボンへ押し込むと、可笑しそうに笑いながらカウントダウンを始めた。
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