第6章 改善。
「つばきくん、前より元気になった?」
つくしが休憩中に声をかけてくる。
やっぱりこいつは周りのことをよく見ているなぁ、と俺は感心した。
『さすが、つくし!じつはさ、薬をちゃんと飲んで、食事も鉄分が多いものを食べるようになってから調子が良くなってきて』
「すごいよ、つばきくん!良かったね」
つくしは自分のことのように喜んでくれた。
わあー!わあー!と喜ぶ声に周りの仲間が、なんだ?なんだ?とこっちを見ている。
…正直恥ずかしいぞ、つくし。
「あっ!ご、ごめんね。僕、嬉しくて。このままもっとよくなれば一緒にサッカーできるなって思っちゃって。で、でも僕が1人で思っただけで…」
『俺もだよ。つくしたちとサッカーがしたい。だから頑張ろうと思ったんだ』
つくしはそれを聞いて、安心したようにふにゃりと笑った。
「なんだ、そんなに俺様とサッカーがしたかったのか。よし、今日から喜一大統領かっ…!いってぇ!てめぇ、貧乏人!」
「うっせぇ、タワケ!なんで1年に混ざってやがる!さっさと練習に戻れ!」
びっくりした。急に大柴先輩たち湧いてきた。
というか、大柴先輩よくあの距離で聞こえてたな。
2人が騒いでいったから、周りの1年につくしとの会話がばれて、来須たちが、あれが良いらしいとアドバイスを始める。
「ほら、あれ!なんだったっけ?貧血にいいやつ」
「忘れてんじゃねぇか!えっーと、あれだ!あの内臓のやつ!」
「それだ!」
『…うん。気持ちは嬉しいけど、あれとかそれじゃわかんねぇぞ?』
来須たちのやりとりに、腹を抱えて笑う風間。
今帰仁がぽつりと、レバーかな?と呟いた。
でも俺のために一生懸命知恵をしぼってくれたのはすごく嬉しいな。
「つばきくんのこと、みんな心配してたんだね」
「当たり前だろ、仲間なんだから!」
「来須、お前。熱いなー!」
「うるっせー!だー!もうこの話は終わりだ!早く練習再開しようぜ!」
照れた来須がボールを持ち、ずんずんとグラウンドに戻り、待てよーとそのあとを新戸部と白鳥が追いかけ、俺とつくしも笑いながらあとを追った。
風間は君下先輩に耳を引っ張られて、レギュラー組のほうへ連れ戻されていた。