第32章 最愛
愈「仲間が死んだんだぞ。念仏くらい唱えてやれよ。薄情だな。」
「今の今で唱えられるか!!死んでないし!!誰のせいだよ!?お前ホントに引っ叩くぞ!!」
珠「愈史郎!!」
愈「はい。珠世さま!!」
「俺のことは無視か!!」
そんなコントをしているうちに、落ちていった村田と善逸は見えなくなってしまい、穴も塞がる。
祈「やはり、私たちを分断しようとしている…。」
音「できるだけ逸れずに進みたかったけど仕方がないわ。お2人が誰かと合流できればいいのだけど…。」
祈「…そうね。時間もない。行きましょう。」
「そんな…!!村田と我妻は見捨てるんですか!?」
祈里と音羽の薄情ともとれる言葉に隊士たちは狼狽える。
祈「今、私たちがすべきことはできるだけ多くの隊士と共に薬を分解中で無防備な鬼舞辻無惨を伐つこと。時間がありません。」
音「今は彼らの無事を信じる他ありません。私たちは先を急ぎましょう。」
「…わかりました。」
祈里と音羽の言葉に苦虫を噛み潰したような顔をしながらも従う隊士たち。
祈「愈史郎さん、もう行けますか??」
愈「あぁ。」