第31章 それぞれの闘い
珠「わかりました。」
音「ではいきましょう。ここの鬼の気配は下弦の鬼程の力を持っているようですから、怪我人は多いはずです。」
珠世が頷いたことを確認し、4人は足を進めた。
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怒り狂う村田を祈里が宥めていると、愈史郎が善逸に話しかける。
愈「血鬼止めは使ってるがこの顔の傷罅割れが止まらなければ眼球まで裂けるぞ。聞こえてるか??」
恐ろしい言葉にゔうう、と呻く善逸に愈史郎はペシペシと叩きながら病状を話す。
村「弱ってる奴に怖いこと言うなや!!」
村田が再びキレるが、そんなことは意にも介さず、愈史郎は言葉を続ける。
愈「あと、止血剤も使ってるが出血が止まらない。」
村「やめろーー!!」
祈「村田さん、どうどう。」
騒ぐ村田を静かにさせるために祈里は笑顔で村田の肩を叩く。
その後ろで音羽も歯に衣着せぬ物言いを繰り返す愈史郎に笑顔で諫言する。
音「愈史郎さんも、あまり刺激しないでください。」
愈「五月蝿い、醜女。」
祈「……は??」
珠世以外の指示を素直に聞くことはない愈史郎の暴言に言われた音羽よりも祈里がキレた。