第30章 美しき復讐者
3人の女剣士が自分に注目したことでこれまでガン無視されていたことを忘れたかのように笑う童磨。
そんな童磨を睨みつけながら杏は考えを巡らせる。
杏(上弦の鬼は一体あたり柱3人分の戦力を有しているという…。柱が2人に丁の継子…。そのうち柱の1人は手負い。上弦ノ弐を討伐する戦力として充分とはいえないけれど、やるしかない。)
そして、無表情で童磨を見つめる。
杏(…そういえば、)
そのとき、杏はあることに気がついた。
『ふふっ、すごいですね。まさに奇跡ですよ。』
童「??何がだい??」
そう問いかける童磨はもちろん、しのぶもカナヲも不思議そうに突然笑い出した杏を見る。
『私たち3人とも、貴方に最愛の姉を殺されているんですよ。すごいですよね。両親でもなく姉を、沢山いる鬼の中で貴方が殺したなんて……この巡り合わせは運命か、宿命か…。ふふっ。それともただの偶然でしょうか??』
ふふっ、と微笑みながら童磨を見つめる。
童「さぁ、どうだ…」
『まぁなんでもいいんですけどね。
さぁ、始めましょうか。』
童磨の言葉を遮った杏の言葉を合図に3人とも刀を構える。