第30章 美しき復讐者
童「なんだか揉めてるみたいだね。」
童磨が何か言っているが、杏は無視して考えを巡らせる。
杏(カナヲちゃんの想いはきっと伝わる。
しのぶさんはあの子たちが大好きなんだから。
きっと大丈夫。)
童「また無視かい??そろそろ辛くなってきたのだけど…。」
悲しげに話す童磨に杏は容赦なく、舌剣を食らわせる。
『だったらそのまま死んだらどうです??
きっと楽になりますよ。』
童「今日の杏ちゃんは冷たいなぁ。
俺の氷よりも冷たい気がするよ。」
童磨はぐすん、と涙を流す。
『"今日の”ってなんです??私を測れるほど会話したことありましたっけ??』
童「だってあのときは冷たい態度に強い憎しみが溢れ出てたでしょ??まるで火山のマグマのような憎しみがあったから熱かったんだよ!!」
記憶を取り戻したあの夜のことを思い出す。
『…そうですか。』
童「あのときはダダ漏れだったけど、コントロールできるようになったんだね。すごいなぁ。」
『…それはどうも。』
童磨からの賞賛の言葉に杏は冷たく返す。
し「ごめんなさい、杏さん。
お待たせしました。」
『しのぶさん、カナヲちゃん。』