第29章 妹の想い

し（そっか……。カナヲの心は、花開いたのね。）


しのぶは小さく微笑む。


し「カナヲ…。貴方は炭治郎くんのことが好きなのね。」


カ「えっ…！？」


突然のしのぶからの言葉にカナヲはぽふんっ、と可愛らしい顔を真っ赤に染める。


し（カナヲのこんな可愛い姿、カナエ姉さんも見たかっただろうなぁ。）


カナヲのあたふたと慌てる姿にしのぶはそっ、と頭を撫でる。


カ「しのぶ姉さん…？？」


しのぶの纏う雰囲気が先程までと違うことを察知したカナヲはしのぶの様子を窺うように見つめる。


その姿にしのぶは優しく微笑みながら小さく呟いた。


し「カナヲの祝言…カナエ姉さんの分も見なくちゃね。」


カ「っ！！じゃあっ、」


し「えぇ。帰りましょう、一緒に。」


カ「はいっ、しのぶ姉さん！！」


しのぶのその言葉にカナヲは満面の笑みを浮かべた。


しかし、しのぶの腫れた頬を見てカナヲはしゅん、と小さくなる。


カ「ごめんなさい…。しのぶ姉さん。その、ほっぺた…。」


し「大丈夫よ。むしろありがとう。おかげでちゃんと貴方の言葉が届いたわ。」


しのぶの優しい視線にカナヲは安心したように微笑む。