第28章 対峙
し(ほんと頭にくる。ふざけるな馬鹿。
なんで毒効かないのよコイツ。馬鹿野郎。)
しのぶが睨みつけた童磨の顔は、毒を分解し、ニヤリと気持ち悪い笑みを浮かべていた。
童磨は血鬼術で出した氷でそのまま天井に張り付き、落ちていくしのぶにも氷の蔓を伸ばす。
器用に伸ばした氷の蔓はしのぶが地面に落ちる寸前に、しのぶの身体をグンと童磨の元へと引き上げた。
そして、引き上げられたしのぶの身体を童磨はガシと抱きしめる。
童「えらい!!頑張ったね!!」
童磨は涙を流しながら抱きしめたしのぶに賞賛の言葉を贈る。
童「俺は感動したよ!!こんな弱い女の子がここまでやるなんて!!姉さんより才も無いのによく鬼狩りをやってこれたよ!!今まで死ななかったことが奇跡だ!!全部全部無駄だというのにやり抜く愚かさ!!これが人間の儚さ!!人間の素晴らしさなんだよ!!」
賞賛しているように見せかけた侮辱の言葉。
童「君は俺が喰うに相応しい人だ!!永遠を共に生きよう!!言い残すことはあるかい??聞いてあげる!!」
この童磨からの問いかけにしのぶは低い声で吐き捨てた。
し「地獄に堕ちろ。」
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