第28章 対峙
炭(何だここは…!!上下左右めちゃくちゃだ。敵の血気術で造られた場所なのか!?前後の状況はわからないが、匂いからして無惨の胸辺りに刺さっていたのは珠世さんの腕だった。珠世さんが無惨に何かしたのか??わからない…。一刻も早く無惨の所へ行き倒さなければ!!一刻も早く!!)
ひたすら落ちていくなか、炭治郎は状況を整理する。
炭(底に叩きつけられて死ぬ!!技を繰り出して軌道を変え、建物のどこかを掴むんだ!!)
炭治郎はググ、と構えて技を繰り出そうとするが、落下の圧が強くて上手くできない。
炭(…!!体勢が悪い…!!落下の圧で踏ん張りがきかない!!)
なすすべなく落ちていき、だんだんと近づいてくる底を歯を食いしばりながら見ていると、突然誰かに首の後ろ部分の羽織を掴まれた。
なんとかそちらの方向を見て掴んでくれた人物の姿を確認する。
炭「ぎっ…!!」
炭治郎を掴んでくれた人物──冨岡は炭治郎が今まで落ちてきた分を受け止め、すぐ近くの底に炭治郎を落とした。
─ドッ、ドッ
冨「大丈夫か。」
炭「はい!!」
何とか受身を取ることに成功した炭治郎は上にいる冨岡からの問いかけにお礼を言う。