第27章 無限城戦 開戦
足場がなくなった際に小さな悲鳴を上げた杏の声を聴き逃さなかった鬼舞辻無惨は杏の場所を把握し、自分が落ちる穴を杏の方へと広げたのだ。
足元に気を取られている杏に鬼舞辻無惨は右腕を触手のように伸ばす。
不「音白!!」
不死川の声に杏が顔を上げるとすぐ目の前にまで迫っている触手。
杏(っ!!捕まる…!!)
──ドンッ
そう思った瞬間、杏の背中に強い衝撃が走り、違う穴の方へと飛ばされる。
鬼「チッ、」
鬼舞辻無惨の舌打ちが聞こえ、違う穴に落ちていく杏が振り返ると、そこには飛び蹴りした状態の不死川がいた。
『不死川さん…!?』
驚きながらも穴に落ちていき、その姿が見えなくなる。
それぞれ穴に落ちていく鬼殺隊の面々を見ながら鬼舞辻無惨は嘲笑いながら叫んだ。
鬼「これで私を追い詰めたつもりか??貴様らがこれから行くのは地獄だ!!目障りな鬼狩り共、今宵皆殺しにしてやろう!!」
そんな嘲笑う無惨へ向かって、炭治郎が叫んだ。
炭「地獄に行くのお前だ無惨!!
絶対に逃がさない!!必ず倒す!!」
そんな炭治郎の言葉に、自身も部屋へと消えながら無惨もまた炭治郎へと叫び返した。
鬼「やってみろ!!出来るものなら…竈門炭治郎!!」