第26章 人の想い
丁度その頃、それぞれの鎹鴉が一斉に騒ぎ出した。
「緊急招集ーーッ!! 緊急招集ーーッ!!
産屋敷邸襲撃ッ…産屋敷邸襲撃ィ!!」
鬼殺隊士たちはそれぞれで産屋敷邸に向かって全速力で走る。
不(お館様……!!)
祈(おねがい…!!)
音(もっと…もっと速く!!)
伊(早く…速く!!)
甘(お館様!!)
時(……!!)
炭(間に合えっ…!!)
柱だけでなく、大勢の隊士たちのお館様の無事を祈る想い。
祈里と音羽を連れた不死川もただひたすらに足を動かす。
不(お館様、お館様…!!)
祈り続ける不死川の目に産屋敷邸が映った。
不(見えた!!屋敷だ!!大丈夫、間に合っ…)
その瞬間。
──ドンッ
駆けつけた鬼殺隊士たち、不死川、祈里、音羽、時透、甘露寺、伊黒、しのぶ、冨岡、そして炭治郎たちの目の前で。
後一歩というところで。
産屋敷邸が爆発した。
黒煙と炎が舞い上がる。
そんな中、炭治郎の鼻腔にある匂いが届いた。
炭(爆薬…!!大量の…!!
人の血と肉の焼けつく匂い…!!)
──────────────────
────────