第26章 人の想い
──産屋敷家 本邸
寝たきりのお館様に寄り添う妻のあまね様。
そんな静かな産屋敷邸の庭に玉砂利を踏む音が響いた。
──ジャリッ
その音に気づいたお館様が静かに口を開く。
お「…やぁ、来たのかい。
…初めましてだね、鬼舞辻…無惨…。」
そんなお館様に鬼舞辻無惨が口を開いた。
鬼「…何とも醜悪な姿だな、産屋敷。」
お「ついに…私の…元へ来た…。今…目の前に……鬼舞辻…無惨……。我が一族が…鬼殺隊が…千年……追い続けた…鬼……。あまね…彼は……どのような…姿形を…している…?」
病により視力も失い寝たきりのお館様は静かに寄り添うあまね様へと問いかける。
そんなお館様の問いかけにあまね様は真っ直ぐ無惨を見据え、口を開いた。
お「二十代半ばから後半辺りの男性に見えます。ただし、瞳は紅梅色…そして瞳孔が猫のように縦長です。」
お「そうか…そう…。君は…来ると…思っていた…必ず…。君は私に…産屋敷一族に酷く腹を立てていただろうから…私だけは……君が…君自身が殺しに来ると…思っていた…。」
そんなお館様の姿を見てい鬼舞辻無惨は冷たく言い放った。