第25章 伝える想い
冨「音白だったのか。声しか聞こえなかったのによくわかったな。」
不「あ??」
『あら、じゃあ冨岡さんは誰だと思ってたんですか??』
冨岡の言葉に固まる不死川。
杏は固まる不死川を横目に冨岡に話しかける。
冨「小さな声しか聞こえなかったから炭治郎と仲が良い黄色いやつか猪のやつだと思ってた。」
『不死川さんはその小さな声でわかっちゃったんですね。』
冨「あぁ。すごいな。流石だ。」
不「帰る。」
素直に答えくれる冨岡の返事に杏がふふっ、と笑っていると、不死川が踵を返し、外へと歩き始めてしまう。
『あ!!不死川さん待ってくださいよ!!』
杏はそのまま不死川を追いかけようとして、冨岡に振り返る。
『冨岡さん、ちゃんと薬持ってますか??』
冨「薬??」
なんのことだ、という表情を浮かべる冨岡に杏は心の中でため息をつきながら説明する。
『しのぶさんから頂いた薬です。
痣の副作用を抑える…』
冨「あぁ。胡蝶が折角作ってくれた薬だからちゃんと羽織に入れてる。」
すると、今度は全てを言い終える前に返事をしてきた。
『……しのぶさんの作った薬だから、ですか??』