第25章 伝える想い
その日も通常通り柱稽古を行っていた。
杏はこの4日間でひっそりと身辺整理を行っていた。
サ「ヤメナサイヨ、縁起デモナイ。」
『何があるかわからないでしょう??』
サクラから止められながらも無理に押し通していた。
『さて、と…。大体こんな感じかしらね。サクラ、祈里さんと音羽さん呼んできてくれる??』
サ「ハーイ。」
パタパタと飛んでいくサクラ。
暫くするとサクラが祈里と音羽を連れて戻ってきた。
サ「連レテ来タワヨ。」
『ありがとう、サクラ。』
サクラにお礼を言い、祈里と音羽に向きなおる。
祈「どうされましたか??」
『お2人に教えておきたいことがありまして。』
音「教えたいこと…ですか??」
『はい。この棚の開け方です。』
そう言いながら杏は絡繰棚に触れる。
祈.音「「っ!!」」
祈里も音羽も絡繰棚の中に何が入ってるかよく分かっていた。
屋敷で自由にしていいと言われているが、未だに入ることが許されていない唯一の部屋の鍵。
だからこそ、驚きで声が出なかった。
祈「…どうして、ですか??」