第23章 オトメゴコロ。
そんな2人の優しい視線に杏の頬が赤く染まる。
『というか…しのぶさんこそどうなんです??』
し「私ですか??」
私はもう吐くだけ吐きました、と言いながら今度はしのぶに質問をとばす。
『冨岡さんのことどう思っていらっしゃるんですか??』
し「…冨岡さん、ですか??」
杏からの質問にきょとんとした表情のしのぶ。
甘「たしかに!!2人仲良いわよね。
話してる時とても楽しそうだもの。」
し「そうでしょうか??」
甘露寺から言われてもいまいちピンときていない様子のしのぶ。
『冨岡さんって何考えてるのか分かりにくいですけど、私たちよりしのぶさんと話してる時の方がよく話してますし、表情も変わりますよね。』
甘「たしかにそうね!!」
し「え、そうですか??私としてはもう少し話した方が良いと思うのですけど…。」
しのぶはうーん、と首を傾げる。
甘「私、冨岡さんはしのぶちゃんのこと好きなんじゃないかなーーって思うのよねぇ。」
し「あの人ほど色恋に無縁な方もいない気もしますが…。」
『たしかに、冨岡さんはご自身の想いにも気付いてなさそうですよね。』