第23章 オトメゴコロ。
女だから、と軽んじられるのは2人にも多く経験がある。
柱であっても女性というだけで向けられる視線が変わってくる。
杏の胸の中にはあの事件のことを思い浮かべる。
杏(柱の傍にいられる隊士は少ないから、それだけで嫉妬の対象になってしまう。その上、彼女たちには地位がなかった。少しでも彼女たちが過ごしやすくなるように今あげられる最高の地位を……。)
『まぁ、これもいくら嘆いてもどうしようもありませんね。』
小さくため息をつき、杏はパッ、と笑顔をつくる。
甘「…そうよね。あ、道場ここよ。」
甘露寺は道場の戸に手をかける。
甘「まだ訓練中だから少し待っててくれる??
休憩の時間にするわね。」
『わかりました。』
甘露寺の言葉に杏はこくん、と頷く。
杏の返事を聞き、甘露寺はガラッと戸を開ける。
杏(…これがお2人が言ってた………。)
戸を開けた道場の中の光景に杏は思わずぽかん、と口を開く。
中ではなかなかに際どい衣装を身に纏った隊士たちが音楽に合わせて踊っていた。
甘「はーい。みんなー、しばらく休憩にします!!
これから私と杏ちゃんが打ち合いの稽古するから元気がある人は見てね〜。」