第23章 オトメゴコロ。

『まぁ、これはどうしようもないことです。総力戦を前にして私たちが下を向いてはいられません。』


甘「杏ちゃん…。」


そんな杏の表情に甘露寺も慌てて笑顔を見せる。


甘「そうね…。私たちは柱だもんね。ここにもまだ隊士の子たちいるし、私たちは前を向いとかなくちゃね。」


甘露寺はむんっ、と気合を入れ、やるぞーと拳を高く突き上げる。


『はい。頑張りましょう。』


杏もそんな甘露寺に合わせて拳を突き上げる。


互いに顔を見合わせ笑い合い、甘露寺邸の道場へと向かった。


その道中、甘露寺がそういえば…と口を開く。


甘「2人に権限を与えるとか言ってたけど、あれってどういうことなの？？」


『…彼女たちは名目上はあくまでも護衛兼世話役です。継子ではない、ということで軽んじられることもあるようで…。』


甘「そんなことがあるのね…。」


話を聞き、甘露寺の表情が曇る。


『えぇ。女性だからというのもきっとあるのでしょうね。』


杏も悲しげな微笑みを浮かべる。


『まぁ、それも仕方がないですよね。
鬼殺隊士は圧倒的に女性が少ないですから。』


甘「そうね。」