第4章 柱合裁判
甘「さようなら、宇髄さん。」
──シュン
甘露寺が手を振った瞬間、一瞬で宇髄は消えた。
伊「甘露寺、俺たちも行こう。」
甘「えぇ!!」
甘露寺と伊黒は並んで夜の闇に消えていった。
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──カラッ
『ただいま。』
玄関の戸を開け、誰もいない自分の屋敷に入る杏。
返事がないと分かっているのに何故か毎回「ただいま」と言ってしまう。
『はぁ。』
小さくため息をつきながら廊下を歩く。
まっすぐお風呂に向かい、身体を清める。
長い髪の毛を丁寧に洗う。
今でこそ手慣れたもので素早く行えるが、6年ほど前までは1人ではこんなに素早く洗えなかった。
──チャプン
少し、熱すぎるくらいの湯船に足を入れる。
肩までゆっくりと浸かり身体を端に預け、昼間のことを思い出す。
杏(昼間の鬼と少年…。
どこかで様子を見に行かなきゃいけないわね…。)
確かに、杏はお館様のご意向ならばと禰豆子のことを容認したが、炭治郎のことはあまり良く思っていなかった。
お館様のお言葉を遮ったことが大きな要因だろう。