第19章 柱稽古

『共同研究…ある方というのは？？』


杏の問いにしのぶは頬に手を当てながら困ったように眉を下げる。


し「それがまだわからないんです。まだ先方から色良い返事が頂けないようでして…。何でも、私と同じかそれ以上に鬼の身体と薬学に精通している方らしいのです。」


『しのぶさんと同じかそれ以上に…？？
そんな凄い方がいらっしゃるのですね。』


しのぶの言葉に目を見開く杏。


し「えぇ。それで研究が始まれば忙しくなりますから稽古には参加できないのです。」


『それは仕方がありませんね。』


杏も残念そうに微笑む。


し「祈里さんと音羽さんも稽古に行かせたそうですが、大丈夫ですか？？」


『えぇ、大丈夫ですよ。夜の警備は不死川さんと行ってますし、昼間は隠の小鳥遊-ﾀｶﾅｼ-さんという方が来てくれてます。』


し「小鳥遊さん…女性ですか？？」


杏の言葉にしのぶがそう問いかける。


杏は護衛役のことでさえ、女性という条件をつけていたため当然の疑問だろう。


『いえ、男性の方ですよ。』


し「男性…ですか？？珍しいですね。」


『今は隠たちも忙しいらしくて…彼しか来れなかったそうです。』