第17章 刀鍛冶の里-強襲
その瞬間、先程まであった身体の痺れや肺の痛みがなくなり、身体が軽くなったのを感じた。
さらに、心拍数が上がり、血の巡りが早くなって身体の温度が上がった。
時透の額と頬に霞のような痣が浮かび上がる。
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有「だけどな、無一郎。
どんなに善良に生きていたって神様も仏様も結局守ってはくださらないから、俺がお前を守らなければと思ったんだ。
優しくしてやれなくてごめんな。
いつも俺には余裕がなかった。
人に優しくできるのもやっぱり選ばれた人だけなんだよな。」
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その頃、あばら家の方では玉壺が鋼鎧塚の手を止めるために何度も攻撃をしていた。
無数の切り傷に、左目まで潰されている。
本来であれば激痛でまともに動けないほど傷を負わされていながら、それでも鋼鎧塚は手を止めなかった。
──ジャコ、ジャコ、ジャコ
鳴り止まない刀を研ぐ音に、玉壺は悔しさを露わにする。