第17章 刀鍛冶の里-強襲
一方、時透を水獄鉢に閉じ込めた玉壺は先ほどのあばら家へ来ていた。
鉄「ぐあっ!!」
あばら家へと逃げていた鉄穴森が玉壺の攻撃により胸元を切り裂かれる。
玉「こんなアバラ家を必死に守ってどうするのだ。」
鉄「うう…。」
玉「もしやここに里長でも居るわけではあるまいな。」
──ジャッ、ジャッ、ジャッ
玉「んんん?」
──ジャコ、ジャコ、ジャコ
鋼「凄い鉄だ。凄い刀だ…。
何という技術…素晴らしい。」
ブツブツと何か呟きながら刀を研ぎ続ける鋼鐵塚。
玉「ふん。」
玉壺は鉄穴森が守っていた人物を見て鼻で笑った。
玉(若い人間だな。四十手前の肉体。
長とは思えぬ。)
──ジャコ、ジャコ
鋼「おい、そこの人間。」
玉壺が刀を研ぎ続ける鋼鎧塚に話しかける。
けれど、鋼鎧塚は後ろを振り返らない。
それどころか、黙々と刃を研ぎ続けているため、傍らにいる鉄穴森を冷汗を流す。
鋼「作者は誰なのだ。どのような方がこの刀を…。なぜ自分の名を刻まず“この一文字を”…。いや、分かる…分かるぞ…。」