第17章 刀鍛冶の里-強襲
一方、時透は血鬼術から脱出するために考えを巡らせていた。
時(肺に残っている空気でまだ何とか一撃出せる。)
─ 霞の呼吸 壱ノ型 垂天遠霞 ─
突き技で水の膜を突くも、粘性のある水の膜はぐぅにぃぃぃと形を変えるだけで破れない。
時(この突き技でも破れない。
こんなに刃こぼれした刀じゃ当然か。)
カプ、と口から空気が漏れる。
時(だめだな。終わった。応援が来てくれるといいけど…。お館様、俺は死ぬからせめて2人柱を頼みます。)
諦めてしまった時透の脳裏にとある言葉がよみがえった。
────────
──────────────────
炭「どうしてそう思うんだ?先のことなんて誰にも分からないのに。」
────────
──────────────────
目の前に炭治郎が立っており、時透に語りかける。
しかし、時透は謎の違和感を感じていた。
時(なんだ?ちがう。炭治郎にはこんなこと言われてない。言ったのは誰だ?)
考える時透の脳裏に霞がかかり、炭治郎を覆っていった。
────────
──────────────────