第17章 刀鍛冶の里-強襲
鍛「お…長…。」
刀鍛冶の里の長である鉄地河原鉄珍の屋敷でも巨大な金魚の鬼は暴れまわっていた。
その姿は甘露寺が倒した金魚の鬼より数倍も大きく、その鬼の手の中に里長が捕まってしまっていた。
さらに鬼殺隊士が2人既に事切れている。
鍛(里を常駐で警護していた鬼殺隊員があっけなくやられてしまった。里で最も技術を持つ長を死なせるわけにはいかない。この大きい化け物攻撃がまるで効かん…。)
自身も重傷の身でありながら必死に長を救わんと模索する刀鍛冶の目の前に桜色と黄緑色のグラデーションの髪を揺らす者が現れた。
鍛「!?」
甘「動かない方が良いですよ!!
多分、貴方は内臓が傷ついてるから。」
鍛「かっ…甘露寺殿…!!」
突然の、しかし願ってもない柱の到着に目を見開く男。
さらに甘露寺の持つ特殊な日輪刀に目を奪われる。
鍛(何だこの刀は…長が…鉄珍様が打ったものか??噂には聞いていたが何と奇妙な…。)
鬼「モ゙オオオオオオ…!!」
─ 恋の呼吸 壱ノ型 初恋のわななき ─
吠える鬼に向かって目にも止まらぬ速さで駆け抜ける甘露寺。
そしてピタリと止まる巨大な金魚の鬼。