第17章 刀鍛冶の里-強襲
小「う!わ!あ!あ!ちょっちょ…!!
もうちょっとゆっくりで!!
あともうちょっとだけ!!」
お館様の言葉が頭の中に響いた時透は小鉄を肩に担ぎ、走り出していた。
時「喋ってると舌を噛むから。」
小「ヒィィィ!!」
全速力で走る柱の肩に担がれた小鉄はあまりの速さに叫び声をあげる。
時(これは正しいのかな??こんなことしてたら里全体を守れないんじゃ……。)
小鉄を担いで走る時透は心の中で自身の判断について不安を感じていた。
時(いや、できる。僕はお館様に認められた鬼殺隊 霞柱 時透無一郎だから。)
しかし、真っ直ぐに前を見据え、その邪念を捨て去った。
しばらく走っていると、包丁を持って巨大な金魚の鬼と対峙している刀鍛冶の姿が見えた。
小「うわっ、」
斬ろうとしたとき、担いでいる小鉄が邪魔だと感じたのか時透は小鉄をポイッとその辺に放り捨てた。
──ザンッ
そのまま鬼の背中にある壺を叩き斬ると、鬼は叫び声をあげながら崩れ去った。
鉄「おおっ!!時透殿!!これはありがたい!!
瞬きする間に斬っている!!」
襲われていた刀鍛冶、鉄穴森が感嘆の声をあげていると、小鉄が涙を流しながら駆け寄った。